障害福祉や就職活動のお役立ち情報

就労移行支援利用中の生活費やお金がないときはどうしたらいい?

2023.11.2

精神障害や身体障害、知的障害を持っている人にとって、就労移行支援事業所は非常に心強い存在です。就労移行支援事業所に通いトレーニングを積むことで、就労に必要なスキルが身につきます。ただし、就労支援事業所を利用している間は、アルバイトなどで収入を得ることが原則的に禁止されているため、生活費の心配をしている方も多いでしょう。

そこで本記事では、事業所利用中の生活費や、お金に困ったときの相談先、節約方法など、お金の問題を解消するために役立つ情報を紹介します。ぜひ参考にしてください。

目次

就労移行支援とは?

働きながらの利用はできる?

就労移行支援でお金が必要となる場面

就労移行支援の利用料金

交通費

昼食・飲食費

教材費・資格受験料

就労移行支援を利用する際の生活費はどうする?

家族支援

貯金

失業保険

障害年金

生活保護

就労移行支援の利用中にお金がない場合のやりくり方法

自治体や事業所で交通費の助成が受けられるか確認する

助成が充実している事業所を選ぶ

飲み物は自宅から持っていく

嗜好品を控える

就労移行支援の利用中にお金に困った場合の制度や相談先

自立支援医療を申請する

障害者手帳を取得する

障害者就業・生活支援センターに相談する

自立相談支援事業に相談する

まとめ

 

就労移行支援とは?

就労移行支援は、障害を持つ人々が一般企業の職場で働くためのサポートを提供する制度です。

これは、障害者が社会との接点を持ち、自立した生活を築くための一助となるものです。

この制度は、障害が理由で退職した方や、社会人未経験の方など「現在就労していない人」を対象としており、一般就労での就職を目指して、様々な訓練を受けることができます。

働きながらの利用はできる?

結論として、働きながら就労移行支援を利用することは、原則として認められていません。

これは、就労移行支援が「現在就労していない人」を対象としているためです。

病気や障害の影響で会社を休職しており、復職を目指す、といった場合を除き、すでに就業している方は、自治体から就労移行支援事業所での訓練を不要と判断される可能性があります。

働いていることを隠して就労移行支援を受けるのは避けましょう。後から発覚するリスクが高く、さまざまなデメリットが考えられます。

就労移行支援でお金が必要となる場面

就労移行支援は、病気や障害を持つ人がスムーズに就職できるように、さまざまな訓練やサポートを受けられる制度です。

しかし、サービスを利用する際には、費用が発生するケースもあります。

仕事をしておらず、出費を抑えたい人にとって、利用料金は重要なポイントです。

就労移行支援の利用料金

多くの人は、無料で就労移行支援事業所を利用しています。

就労移行支援の利用料金は、前年度の世帯(本人と配偶者)の年収によって決まります。

生活保護を受けている人や、前年1年の間に仕事をしていなかった場合は、利用料金は無料です。

前年度に一定以上の収入がある場合には利用料金が発生しますが、上限額が決まっており、通えば通うほど料金がかかる、というものではありません。

交通費

利用する施設までの交通費を補助してくれる事業所がたくさんあります。

私ども一般社団法人ソースでも、通所数に応じた交通費の補助をおこなっておりますので、お気軽にご相談ください。

昼食・飲食費

昼食や飲食に関する費用は、施設によって提供される場合と自己負担となる場合があります。

具体的な費用やサービス内容は、利用する施設に直接問い合わせることが必要です。

ソースでは、昼食を1食あたり100円程度の金額でご提供しています。

毎日の昼食代が不安な方も、少ない負担でご利用いただけます。

教材費・資格受験料

教材や資格受験に関する費用も、施設によって異なります。

一部の施設では、教材費が無料で提供される場合もあれば、別途費用が必要な場合もあります。

資格受験料についても、施設がサポートする場合や自己負担となる場合があります。

ソースでは、WordやExcelといった一般的なPCアプリ、各種資格試験の教材費が無料です。

また、利用者さんのご希望に応じて、一定の範囲で教材を新規購入しており、負担なくスキルアップしていただけます。

また、資格・検定受験料についても全額、ないし相当分の受験料補助を行っていますので、さまざまな資格取得に気軽に挑戦していただくことが可能です。

就労移行支援を利用する際の生活費はどうする?

スムーズな就職のために就労移行支援を利用したいと考えている方にとって、金銭面での不安は大きなネックになります。

特に、就労移行支援を受けている期間中は、原則としてアルバイトやパートが禁止されているため、生活費をどのように工面するかが大きな課題となります。

このようなお悩みについては、公的な支援制度を適切に活用することで解決できる場合があります。

この章では、就労移行支援を利用する際に考慮すべき生活費の問題について、具体的な解決策や支援制度を紹介します。

家族支援

家族からの援助は、就労移行支援を利用している間の生活費についての問題を解決する手段のひとつです。

援助が受けられれば、就労移行支援事業所でのトレーニングに専念することが可能です。

家族が不安にならないように、就職希望時期や支援してもらったお金の返済の計画などを相談しておきましょう。

貯金

就労移行支援事業所を利用している間、多くの方が貯金を生活費にあてています。

この方法は短期的な解決策として有効ですが、長期的な持続は困難でしょう。

そのため、貯金を使用する際には自分がいつ頃就職できるのかを考え、逆算して資金計画を立てておく必要があります。

失業保険

失業保険の基本手当は、再就職を目指す期間中の生活の保障として提供されるものです。

各種障害の影響や、社会的事情により就職が著しく阻害されているとみなされたばあい、「就職困難者」として基本手当を受け取れる期間が長くなるといった配慮を受けられます。

失業給付を受けながら就労移行支援事業を利用することは可能なので、この給付は、生活費の一部として非常に役立ちます。

障害年金

障害年金は、障害や病気などで生活や仕事に影響が出た人に国から支給される年金です。

障害の程度や種類に応じて、受給できる金額や期間が異なります。

就労移行支援を利用する際の生活費の補助として役立つでしょう。

生活保護

生活保護は、生活に困窮している方を対象にした公的な支援制度です。

この制度を利用することで、食費や住宅費、医療費などの基本的な生活費をカバーできます。

生活保護の受給資格は、所得や資産などの条件に基づいて判断されるため、利用方法などの詳細は自治体の窓口で確認してください。

就労移行支援の利用中にお金がない場合のやりくり方法

上記にご説明したような方法で生活費を工面できても、なお経済的な負担を感じる方も少なくありません。

ここでは、知っているとお得な情報や節約の方法を紹介します。

自治体や事業所で交通費の助成が受けられるか確認する

交通費は日常の出費として大きな負担になる場合があります。

そのため、多くの自治体や事業所では、交通費の助成制度を設けていることがあります。

先ほども書いたようにソースでは交通費の補助を実施していますし、多くの就労移行支援事業所でも同じように交通費の補助制度が存在しています。

また、障害の種別によってはバスやタクシーを割引料金で利用できることもあります。

普段使っている交通機関に割引の有無を問い合わせてみるのも良いでしょう。

助成が充実している事業所を選ぶ

昼食補助などの各種助成がついている事業所もたくさんあります。

たとえば、ソースで提供している昼食は、1回あたり100円程度とリーズナブルで、栄養バランスも考慮されています。

事業所選びの際には、助成やサポートの有無を確認することが大切です。

毎日の昼食代は積み重なると大きな金額になります。外で食べる費用に不安を感じている方は、ぜひ一度ご確認ください。

飲み物は自宅から持っていく

外で飲み物を購入すると、それだけで数百円の出費となります。

しかし、自宅から水筒やペットボトルに入れた飲み物を持参することで、この出費を抑えられます。

夏場などの暑い時期には水分補給が欠かせませんので、この方法を活用してみてください。

嗜好品を控える

タバコやお菓子、ジュースなどの嗜好品は、日常の小さな楽しみのひとつです。

しかしながら、限度を守らないと金銭的にも、健康の面から言ってもリスクが生じます。

これらの出費を控えることで、月に数千円、たばこであれば1万円を超えるような額の節約が期待できます。

健康のため、また経済的な理由からも、嗜好品に使っている費用を検討してみてください。

就労移行支援の利用中にお金に困った場合の制度や相談先

就労移行支援で訓練をしている間、経済面について相談できる制度、機関をご紹介します。

これらの制度や相談先を活用することで、生活の支えとして役立つでしょう。

自立支援医療を申請する

自立支援医療は、障害のある方が医療を受ける際の負担を軽減するための制度です。

この制度を利用することで、通常3割負担の医療費が1割の負担になります(上限月額あり)。

精神科や心療内科などには毎月通う必要があるので、医療に関する経済的な負担を大きく軽減することができます。

障害者手帳を取得する

障害者手帳を取得することで、公共交通機関の割引や税制上の優遇など、いろいろなサービスや支援を受けられます。

さらに、映画館や美術館でも手帳による割引を実施している場合もあり、幅広く活用できます。

障害者手帳の交付には一定の基準がありますが、取得すれば生活をより快適にするための大きな一歩となるでしょう。

障害者就業・生活支援センターに相談する

障害者就業・生活支援センターは、障害者の就業面と生活面の一体的な相談・支援を行う機関です。

雇用や生活面において困りごとや不安がある場合、まずはこのセンターに相談することをおすすめします。

自立相談支援事業に相談する

自立相談支援事業は、生活困窮者やその家族、関係者からの相談に応じ、アセスメントを実施して、利用者それぞれの状態に合わせたプランを作成し、必要なサービスにつなげる事業です。

住居や就職、家計の管理などで不安がある方は、このサービスを活用するのが良いでしょう。

まとめ

就労移行支援事業でトレーニングを受けようと考えている方のなかには、利用料金や昼食代、交通費などの経済的な面で不安や懸念を感じている方も少なくありません。

本記事では、そのような方に向けて、経済的な困難を乗り越えるための制度や相談先、さらには知っているとお得な情報や節約方法について解説しました。

自立支援医療の申請や障害者手帳の取得、障害者就業・生活支援センターや自立相談支援事業など、多岐にわたるサポートが用意されています。

これらの制度やサポートを活用することで、経済的な負担を軽減しながら就職に向かって就労移行支援事業所でトレーニングを積むことが可能になります。

困ったことや不安がある場合は、一人で悩むことなく、適切な機関や窓口に相談することをおすすめします。

一般社団法人ソースは、障害のある方のスムーズな就労を目指すための「就労移行支援事業所」のひとつです。

全国の就労移行支援事業所が加盟する「社団法人社会福祉支援研究機構」に所属しており、様々な関係機関と連携しながら就職をサポートしております。

私どものサポートをご利用いただくことで、多くの方が就職を実現しています。

昼食代、交通費補助など費用面でお悩みの方も、お力になれることがあるかと存じます。

大阪府堺市堺区にある障害者就労移行支援事業所「ソース堺東・三国ヶ丘」へぜひご相談ください。

 

【監修】佐古順子

サービス管理責任者

職場適応援助者(訪問型ジョブコーチ)

ビジネス実務マナー3級
メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種