こんにちは。外出が減って、すっかりインドアな岩﨑です。
こういうときは、家でのんびり過ごすに限りますね、積ん読の本をパラパラしたり、映画を観たり、ゲームしたり、絵を描いたり。
私はギリシャのテオ・アンゲロプロス監督の『永遠と一日』という映画を久々に見返しました。
なんども観ている、とても好きな作品なのです。
主人公のギリシャ人、アレクサンドレは、老いた詩人。不治の病を患っています。
長く住んでいた住居を引き払い、病院に入ろうとしています。
おそらく、いったん病院に入れば、出てくることはもうないのです。
アレクサンドレの脳裏にひとつの思いがよぎります。
「私は、何ひとつ完成していない。あれもこれも下書き……言葉を散らかしていただけだ……」
車で病院に向かう途中、アレクサンドレは、警官に追われるひとりの少年を匿ってやります。
彼はアルバニア難民で、家族はいません。貧困のため、数人の仲間とともに、ギリシャに密入国していたのです。
少年と行動をともにするうち、アレクサンドレの心に、厳しかった母のこと、死んでしまった妻のこと、さまざまな思い出が去来します。
コロナウイルスで疲弊して、にぎやかな映画はちょっとしんどい、という方、
ゆっくりと今までの自分を振り返ることのできる、そんな映画がテオ・アンゲロプロス監督の『永遠と一日』です。
映像もとても美しいです。
興味があれば、ぜひ。
職業指導員兼広報 岩﨑