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家で映画を観る テオ・アンゲロプロス『永遠と一日』

2020.4.8

こんにちは。外出が減って、すっかりインドアな岩﨑です。

こういうときは、家でのんびり過ごすに限りますね、積ん読の本をパラパラしたり、映画を観たり、ゲームしたり、絵を描いたり。

私はギリシャのテオ・アンゲロプロス監督の『永遠と一日』という映画を久々に見返しました。

なんども観ている、とても好きな作品なのです。

 

主人公のギリシャ人、アレクサンドレは、老いた詩人。不治の病を患っています。

長く住んでいた住居を引き払い、病院に入ろうとしています。

おそらく、いったん病院に入れば、出てくることはもうないのです。

アレクサンドレの脳裏にひとつの思いがよぎります。

 

「私は、何ひとつ完成していない。あれもこれも下書き……言葉を散らかしていただけだ……」

 

車で病院に向かう途中、アレクサンドレは、警官に追われるひとりの少年を匿ってやります。

彼はアルバニア難民で、家族はいません。貧困のため、数人の仲間とともに、ギリシャに密入国していたのです。

少年と行動をともにするうち、アレクサンドレの心に、厳しかった母のこと、死んでしまった妻のこと、さまざまな思い出が去来します。

 

コロナウイルスで疲弊して、にぎやかな映画はちょっとしんどい、という方、

ゆっくりと今までの自分を振り返ることのできる、そんな映画がテオ・アンゲロプロス監督の『永遠と一日』です。

映像もとても美しいです。

興味があれば、ぜひ。

 

職業指導員兼広報 岩﨑