1. はじめに
就職活動や転職活動において、「自己PR」は避けて通れない大切なポイントです。障害のある方にとっても、自分の強みや個性をどのように伝えるかは、就職成功のカギとなります。事前に自己PRを整理しておき、面接において自分をうまくアピールすることが大切です。しかし、「何を話せばいいのかわからない」「自分の強みが見つからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、自己PRの作り方と、面接での伝え方、よくある失敗例とその対策、そして就労移行支援事業所で受けられるサポートについて詳しく解説します。
2. 企業が求める自己PRとは
自己PRとは、「自分がどのような人間で、どんな強みがあり、企業にどのように貢献できるか」をアピールするものです。企業は自己PRを通じて、応募者の人柄や能力、仕事への意欲、そして自社とのマッチ度を見極めています。一般的な採用の尺度において、特に重視されるのは以下のポイントです。
協調性:会社のルールに則って円滑に働けるか
主体性:自ら考え、行動できるか
課題解決力:困難に直面した時にどう対応するか
継続力・粘り強さ:困難な状況でもあきらめずに取り組めるか
気をつけるべきなのは、単に自分の長所をアピールするだけでなく、その長所が企業のニーズを満たすものでなければならない、ということです。100メートル走でいくら速く走れたとしても、内勤の事務職の仕事をするうえでのアピールにはなりません。あくまで志望する会社が必要としている能力のなかで、自分がアピールできるものを選定しましょう。また、具体的なエピソードを交えて伝えることで説得力が増します。
3. 自己PRの作り方ステップ
3-1. 自分の強みを知る
まずは自分の強みを知ることから始めましょう。
自己分析の方法としては、以下のようなアプローチがあります。
過去の経験を振り返る:仕事やアルバイトの経験、学校生活、ボランティア活動、趣味などで「頑張ったこと」「工夫したこと」「成果を出したこと」を思い出しましょう。
褒められた経験を思い出す:これまでの社会生活で、人から褒められたことを思い出しましょう。褒めてもらったポイントが自分の強みである可能性が高いです。
周囲からの評価を聞く:家族や友人、支援員など、身近な人に「自分の良いところは?」と聞いてみるのも有効です。
自分が楽しい・得意だと感じることを整理する:小さなことでも構いません。「整理整頓が得意」「人の話を聞くのが好き」など、日常の中の強みを見つけましょう。
3-2. 強みをエピソードで表現する
自分の強みが見つかったら、それを裏付ける具体的なエピソードを用意しましょう。
このさい、STAR法という面接対策の手法が役立ちます。STAR法では、状況・課題・行動・結果の4要素から、過去の経験を分析します。
Situation(状況):どんな場面だったか
Task(課題):自分に求められたこと、取り組んだ課題
Action(行動):自分が実際にとった行動
Result(結果):その結果どうなったか、何を学んだか
例)
「前職の事務アルバイトでは、書類の整理が遅れている状況(Situation)で、効率化が課題でした(Task)。私は書類の分類方法を見直し、ラベル付けを工夫しました(Action)。その結果、作業時間が半分になり、上司から感謝されました(Result)。」
エピソードを上記のような要素で分析しておくことで、話の要点が明確になります。
3-3. 企業や職種に合わせてアピールポイントを調整
自己PRは、応募する企業や職種によって強調するポイントを変えることも大切です。
企業のホームページや求人票から「どんな人物を求めているか」を読み取り、自分の強みがそのニーズに合致するように伝えましょう。
上述のように、自己PRと会社の求める能力が一致していると、説得力が増します。
4. 面接での自己PRの伝え方
自己PRを面接で伝える際は、以下のポイントを意識しましょう。
短く、分かりやすく:最初に結論を述べ、その後に具体的なエピソードを加えると、相手に伝わりやすくなります。1分程度でまとめるのが目安です。
表情や話し方:自信を持って、はきはきと話すことが大切です。緊張しても、笑顔やアイコンタクトを心がけましょう。
例)
「私の強みは、コツコツと地道に努力できることです。前職では、毎日決まった作業を正確にこなすことで、ミスを減らすことができました。この経験を活かし、貴社でも丁寧な仕事を心がけていきたいと考えています。」
5. よくある失敗例とその対策
自己PRや面接でよくある失敗例と、その対策を紹介します。
抽象的な自己PR
例:「私はコミュニケーション能力があります。」
→ 対策:どんな場面で、どのように発揮したかを具体的に伝えましょう。
長すぎて要点がぼやける
例:エピソードが複数入り混じり、結局何を伝えたいのか分からない。
→ 対策:伝えたい強みを1つに絞り、エピソードも1つにまとめることが肝心です。
ネガティブな印象を与える
例:「失敗ばかりしてきましたが…」
→ 対策:失敗談を話す場合は、「その経験から何を学び、どう成長したか」にフォーカスしましょう。
緊張してうまく話せない
→ 対策:何度も練習し、模擬面接を受けておくことで自信がつきます。
6. 就労移行支援事業所でできるサポート
就労移行支援事業所では、自己PRの作成や面接対策のサポートを受けることができます。
具体的には以下のような支援があります。
自己分析のサポート:支援員が一緒に強みや経験を整理し、自己PR文を作成するお手伝いをします。
模擬面接の実施:実際の面接を想定した練習を繰り返すことで、自信を持って本番に臨めます。
履歴書・職務経歴書の添削:自己PR欄の書き方や、企業ごとのアピールポイントの調整もサポートします。
グループワークやコミュニケーション訓練:実践的なトレーニングを通じて、面接での受け答えや自己表現力を高めます。
実際に、事業所の利用者の方が「自分の強みが分からなかったけれど、スタッフと一緒に整理する中で面接の場で話せる強みを発見し、自信を持てた」「模擬面接を何度も繰り返したおかげで、本番では落ち着いて話せた」という声も多く寄せられています。
7. まとめ・次のステップ
自己PRは、単に自分をよく見せるためのものではなく、企業と自分のマッチングを図る大切なツールです。
強みを見つけ、具体的なエピソードで裏付け、面接で自信を持って伝えることが、就職決定への第一歩となります。
「自分の強みが分からない」「面接が苦手」と感じる方は、ぜひ就労移行支援事業所のサポートを活用してください。
ひとりで悩まず、スタッフと一緒に準備を進めることで、自信を持って就職活動に臨めるようになります。
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【監修】
就労支援員 佐古順子
職場適応援助者(訪問型ジョブコーチ)、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、P検3級、ビジネス実務マナー検定3級、秘書検定2級、簿記2級
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