はじめに
「働きたいけれど、実際の職場で自分がやっていけるか不安」「自分に合った仕事や職場が分からない」「ブランクが長くて就職活動に自信が持てない」――就労を目指す方の多くが、このような悩みや不安を抱えています。そんな時、「企業実習」や「職場見学」が、就職への大きな一歩となるかもしれません。
就労移行支援事業所が実習先を紹介し、スタッフが実習に同行したり、振り返りまで一貫してサポートしたりする体制は、利用者さんにとって大きな安心材料となっています。今回は企業実習や職場見学の概要、メリット、体験談、具体的な活用法などについて分かりやすく解説します。
1. 企業実習・職場見学とは?
1-1. 企業実習の概要
企業実習とは、求職者が企業で一定期間、職場体験を行うプログラムのことを指します。実習期間は数日から数週間にわたり、実際の業務を体験しながら、職場の雰囲気や仕事の流れを肌で感じることができます。実習内容は、事務作業、軽作業、接客、IT関連業務など多岐にわたり、利用者の希望や適性に合わせて選定されます。
1-2. 職場見学の概要
職場見学とは、実習よりも短時間で実務を行うことなく職場の雰囲気や業務内容を見学することを指します。実際に働く前に、職場の環境やスタッフの様子、仕事の流れを確認できるため、「自分に合いそうかどうか」を判断する材料になります。見学だけで終わる場合もあれば、興味があればそのまま実習に進むこともあります。
2. 企業実習・職場見学のメリット
2-1. 自分に合った仕事・職場を発見できる
実習で実際の業務を体験したり、職場を見学することで、「自分の適性に合致した業務内容なのか」「職場環境がフィットするか」を具体的に知ることができます。求人票やホームページの情報だけでは分からない、現場ならではの雰囲気や業務内容を体験できるのが大きな魅力です。
2-2. 就職後のミスマッチを防げる
せっかく会社に入ったのに、「思っていた仕事と違った」「職場の雰囲気が合わなかった」という理由で早期退職してしまうケースは少なくありません。実習や見学を通じて、事前に自分に合う職場を見極めることで、就職後のミスマッチや早期離職を防ぐことができます。
2-3. 実践的なスキル・社会性が身につく
実習では、上司や同僚とのコミュニケーション、業務の進め方、ビジネスマナーなど、実践的なスキルや社会性を身につけることができます。特に、長いブランクがある方や初めて働く方にとっては、実際の職場での経験が自信につながります。実習を行った企業に必ずエントリーしなくてはいけないというルールはなく、雇用前提でない実習を受け入れている企業も多いので、スキルアップのために実習を活用することが可能です。
2-4. 生活リズムや就労習慣の確立
決まった時間に出勤し、業務をこなすことで、就労に必要な生活リズムや習慣を身につけることができます。これにより、就職後も安定して働き続ける力が養われます。
2-5. 自信がつき、就職活動が有利に
実習経験は履歴書や面接で具体的にアピールできるため、就職活動の強みになります。また、「実際に働くことができた」という成功体験が自信となり、就職活動への意欲も高まります。
3. 就労移行支援事業所が実習先を紹介できるメリット
3-1. 多様な企業から実習先を選択できる
ひとりで就職活動をしていると、実習を受け入れてくれる企業を探すのも大変です。その点、就労移行支援事業所は、さまざまな業界・職種の企業と交流があり、利用者さんの希望や適性、障害特性に応じて、さまざまな実習先をコーディネートできます。事務職、軽作業、販売、IT関連など、幅広い選択肢から実習先を選ぶことができます。
3-2. 個別サポートが充実
実習前の準備や企業担当者との事前打ち合わせ、実習中の同行やフォロー、実習後の振り返りまで、スタッフが一貫してサポートします。困ったことや不安があれば、すぐに相談できる環境が整っています。
3-3. 配慮事項の事前伝達
利用者さんの障害特性や必要な配慮事項を、就労移行支援事業所が事前に企業側に伝えることで、安心して実習に臨めます。例えば、「静かな環境が必要」「休憩時間に配慮してほしい」など、個々のニーズに合わせた調整が可能です。
3-4. 実習後のフィードバック・今後の訓練に活かせる
実習終了後には、スタッフと一緒に振り返りを行い、得意な点や課題を整理します。これにより、今後の訓練内容や就職活動に活かすことができます。
4. 企業実習の体験談
4-1. 長いブランクからの再出発(Aさん・30代女性)
Aさんは、精神的な不調で長期間働けず、「自分にできる仕事があるのか不安」と感じていました。事業所の紹介でデータ入力業務の実習に参加。スタッフが事前に企業と打ち合わせを行い、実習中もフォロー。実習後はスタッフと振り返り、得意な点や課題を整理。自信を持って就職活動に臨み、一般企業の事務職に採用されました。
4-2. 自分に合う職場環境を発見(Bさん・20代男性)
Bさんは、人間関係に不安がありました。複数の職場で実習を経験し、静かな環境や少人数の職場が自分に合っていることに気づきました。スタッフが企業に配慮事項を伝えてくれたことで、安心して実習に参加できました。
4-3. 職場見学から実習、そして就職へ(Cさん・40代男性)
Cさんは、体力や集中力に不安がありました。まずは職場見学で業務内容や職場の雰囲気を確認し、興味を持った職場で実習に挑戦。スタッフと相談しながら無理のない範囲で実習を重ね、最終的に実習を行った企業に就職が決まりました。「段階を踏んでチャレンジできたことが大きな自信になった」と話しています。
5. 企業実習の流れ
5-1. 目標を明確にする
「どんな仕事がしたいか」「どんな職場が合うか」など、実習の目的をスタッフと一緒に整理しましょう。目標が明確になることで、実習の成果を最大限に活かすことができます。
5-2. 興味や適性に即した実習先を選ぶ
事業所の提案する実習先企業から、興味や適性に合ったものを選定します。必要に応じて職場見学も行い、雰囲気を見てから実習に進む、という対応も可能な場合があります。
5-3. 実習前の準備
会社までの交通経路や業務内容や職場のルール、不安な点をスタッフと確認します。就労移行支援事業所を介して、配慮事項を事前に企業に連絡します。
5-4. 実習中のサポート
実習中はスタッフが職場へ同行したり、定期的にフォローを行ったりします。困ったことや不安があれば、すぐに相談できる環境が整っています。
5-5. 実習後の振り返り
実習で得た気づきや課題をスタッフと一緒に整理し、今後の訓練や就職活動に活かします。必要に応じて、次の実習や訓練内容の見直しも行います。場合によっては実習を行った企業へエントリーします。
6. よくある質問
Q. 実習に参加するのが不安です。
A. スタッフが企業担当者と事前打ち合わせを行い、実習先に同行します。不安なことは何でもご相談ください。
Q. 実習でうまくいかなかったら?
A. 実習後にスタッフと振り返りを行い、課題を今後の訓練や次の実習に活かします。失敗も大切な経験です。
Q. 実習先はどのように決まりますか?
A. 利用者の希望や適性をもとに、事業所が候補の企業から最適な実習先を紹介します。
Q. 実習期間はどれくらいですか?
A. 実習期間は数日から数週間まで、企業が設定した期間に準じます。利用者の希望や体調に合わせて調整可能な場合もあります。
Q. 実習で得た経験はどのように活かせますか?
A. 実習経験は履歴書や面接で具体的にアピールでき、就職活動の強みになります。また、実習で得た課題や気づきを今後の訓練や仕事選びに活かすことができます。
7. まとめ
企業実習・職場見学は、就職への大きな一歩です。就労移行支援事業所が実習先を紹介し、スタッフが一貫してサポートすることで、不安を抱える方も安心して実習に臨めます。実際の仕事現場を体験することで、自分に合った職場や働き方を見つけ、就職後のミスマッチを防ぐことができます。
「働くことが不安だけど、まずは試してみたい…」そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。あなたに合った職場を一緒に見つけるお手伝いをします。企業実習や職場見学を積極的に活用し、あなたらしい働き方を実現しましょう。
【監修】
就労支援員 佐古順子
職場適応援助者(訪問型ジョブコーチ)、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、P検3級、ビジネス実務マナー検定3級、秘書検定2級、簿記2級
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