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引きこもり・うつ病から社会復帰へ 就労移行支援事業所でできること

2025.8.9

はじめに

「外に出たいけれど、どうしても体が動かない」「働きたい気持ちはあるのに、不安で一歩が踏み出せない」

引きこもりやうつ病を経験した方の多くが、このような壁にぶつかります。かつては社会に出ていた人も、精神的な理由で離職や長期休職をすると、生活リズムが崩れ体力が低下したり、自信が失われ、孤立感が強まることでメンタルに不調をきたす可能性があります。「もう元の自分には戻れないのではないか」という思いに押しつぶされそうになることもあるでしょう。

そんな時に頼れる選択肢のひとつが、就労移行支援事業所です。就労移行支援事業所は、障害や病気のある方が一般企業への就職を目指すための支援を行う福祉サービス。引きこもりやうつ病から社会復帰を目指す際にも、大きな助けとなります。

この記事では、引きこもりやうつ病からの社会復帰を考えている方に向けて、少しずつ外に出られるようになるステップや、実際の成功事例を交えながら、就労移行支援事業所でできることを詳しく解説します。

なぜ引きこもりやうつ病からの社会復帰は難しいのか

一度引きこもり状態や長期休職に入ると、単純に「やる気」だけでは動き出せません。

1. 生活リズムの乱れ
朝起きられない、夜眠れない、食事時間が不規則になる…。これらが続くと、体力も集中力も低下します。

2. 外出への不安
長く家にいると、外の音や人の視線が気になるようになります。バスや電車に乗るだけでも強い緊張を感じる人もいます。

3. 自信の喪失
「自分はもう働けないのでは」という不安や、過去の失敗経験が頭から離れず、新しいことに挑戦できなくなります。

4. 周囲の理解不足
家族や友人からの「そろそろ働かないと」という言葉が、プレッシャーになってしまうこともあります。

こうした状態から社会復帰を目指すには、段階的に慣らしていく安全な環境が必要です。そこで役立つのが、就労移行支援事業所です。

就労移行支援事業所とは?

就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に基づくサービスで、18歳〜65歳未満の方が利用できます。精神障害、発達障害、身体障害、知的障害、難病などの診断がある方や、医師の意見書があれば利用可能です。

利用できる内容の例

  • 生活リズムを整えるサポート
  • コミュニケーション練習
  • 職業スキルの習得(パソコン、事務作業、軽作業など)
  • 企業での職場体験・実習
  • 就職活動のサポート(履歴書、面接練習)
  • 就職後の定着支援

ポイントは、週1日・短時間から始められること。
「外に出るきっかけ」としても機能します。

少しずつ外に出られるようになるステップ

就労移行支援事業所では、引きこもりやうつ病の状態に合わせ、段階的に社会復帰をサポートします。最初は1〜2時間だけでも構いません。「外に出られた」「人と話せた」という成功体験を積みます。

短い日数、短時間の通所からスタートし、生活リズムを整えたのち、徐々に通所日を増やしていきましょう。

引きこもりの方の場合、朝起きて出かける習慣が失われているので、事業所に通所すること自体がトレーニングの一環となります。

健康管理(睡眠、食事、運動)を意識し、規則正しい生活を取り戻すことが、心と体の回復に直結します。

また、スタッフや他の利用者さんとの関わりに慣れていくことで、人間関係にも自信がつきます。

そののち、WordやExcelなどのパソコンスキルを習得したり、事務作業や軽作業の実習に参加してスキルを高めましょう。

「自分にはできることがある」という感覚が自信につながります。

就労事例

ここでは、実際の就労移行支援事業所を利用した方の例を紹介します(個人が特定されないよう内容はアレンジしています)。

事例1:30代男性(引きこもり歴5年)
大学中退後、就職せずに引きこもり状態。家族以外と話すことができない状態でしたが、週1回の短時間通所からスタート。半年で週5日通えるようになり、パソコンスキルを習得。1年半後に事務職で就職し、現在も定着支援を受けながら勤務中。

事例2:40代女性(うつ病で休職)
接客業で長年働いていたが、過労からうつ病を発症し退職。体力・気力ともに落ち込んでいましたが、就労移行支援事業所で生活習慣の改善から始め、1年で事務補助の仕事に就職。現在も週に一度、事業所スタッフと面談を続けています。

就労移行支援事業所を利用していれば、就職後にもサポートを受けることができ、離職のリスクを減らすことができます。

まとめ:最初の一歩は小さくていい

引きこもりやうつ病から社会復帰する道のりは、決して一足飛びではありません。
ですが、就労移行支援事業所のような「安全な練習の場」があれば、一歩ずつ進むことができます。

もし今、「外に出たいけれど不安」「働きたいけれど自信がない」と感じているなら、まずは見学や短時間の体験から始めてみてください。
その小さな一歩が、未来のあなたを大きく変えるきっかけになるはずです。

 

【監修】

就労支援員 佐古順子

職場適応援助者(訪問型ジョブコーチ)、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、P検3級、ビジネス実務マナー検定3級、秘書検定2級、簿記2級

 

2024年度 就職者 32名!!

大阪府堺市にある就労移行支援事業所 ソース堺東 とソース三国ヶ丘は

メンタルクリニックに通っている方や

障がいをお持ちの方の< 働きたい!> という気持ちを全力でサポートします。

随時見学・体験を受け付けておりますので

ぜひお気軽にお問合せください♪

お一人でも、ご家族や支援者の方のみでも大歓迎です。

ソース堺東

TEL 072-225-1010

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