障害福祉や就職活動のお役立ち情報

ADHDとASD、それぞれの特性にたいする就労移行支援事業所のサポートをご説明します。

2025.9.16

発達障害の方に向けた就労移行支援事業所での支援

就労移行支援事業所は、障害を持っている方に対して就職に向けた訓練・支援を行う施設です。就労移行支援事業所では職業的スキルだけでなく、生活習慣の改善や職場での人間関係を良好に保つためのトレーニングなど、多角的なトレーニングを実施しています。様々な障害を持った人が利用していますが、近年、発達障害(ADHD・ASD)の特性を持った方の利用が増えています。今回はADHDやASDそれぞれの特性に合わせて、就労移行支援事業所がどのようなサポートを行っているか解説します。


ADHDとASDとは何か

発達障害には、「ADHD」「ASD」といったタイプが存在します。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

ADHDは、注意の持続が難しいこと、衝動的・多動的な行動が目立つことなどを主な特徴とする発達障害の一種です。具体的には次のような特性・困りごとがあります。

  • 不注意
    ・ 気が散りやすい、集中が続かない
    ・ 忘れ物やミスが多い
    ・ スケジュールを守ったり、手順を立てて物事をこなすのが苦手

  • 多動性・衝動性
    ・ 長時間じっとしていられない/静かにすることが難しい
    ・ 順番を待つことが苦手
    ・ 思いついたことをすぐ口に出してしまう、感情を抑えにくいことがある

自閉スペクトラム症(ASD)

ASDは、社会的コミュニケーション/対人関係の難しさ、興味や行動の偏り、感覚過敏や鈍麻などの特性を含む障害です。

  • 社会性・コミュニケーションの困難さ
    ・ 言葉や視線、表情・身振りなどを使ったやり取りが不得意
    ・ 自分の考えを伝えることや、相手の意図を汲むことが難しい場合がある

  • 興味・関心・行動のこだわり
    ・ 特定のテーマや物事への強いこだわり・偏った関心
    ・ 過集中になり、周りのことが目に入らない

  • 感覚刺激への過敏または鈍麻

共通点

ADHD/ASDは別の診断名ですが、実際には次のような共通する特性や困りごとが観察されます。

  • ミス・忘れ物・スケジュール管理の困難
    不注意といったADHDの特性から起こることもあれば、ASDの特性によるルーチン外のことや予測できない変化に対応できないことでミスをしたり忘れ物をしている場合もある。

  • コミュニケーションの齟齬
    発言が誤解されやすい・場の空気を読むのが苦手・自分と他人の意図のズレや思い込みなどはADHD/ASDのどちらの障害でも起こる場合がある。

  • 感情のコントロールの難しさ
    ADHDでは衝動性、ASDでは過度な不安やストレスからくる反応が強く出て、自分の感情をうまくコントロールできない。

ADHDとASDは、同一人物に両方の特性が見られる場合もあります。


就労移行支援事業所では、ADHD、ASDの特性を持った方の就職サポートについて、例として以下のようなトレーニングを実施します。

ADHDの特性に応じたトレーニング例

不注意・時間管理・忘れ物に対するサポート

  • タスク分割練習
    大きな作業を「小さなステップ」に分け、順番に進める練習。

  • 時間管理トレーニング
    予定を表に書き込み、定期的に見返すことによって適切な時間管理のコツをつかむ練習。

  • チェックリスト活用
    持ち物チェックリストを作り、忘れ物を減らす習慣を身につける練習。

多動性・衝動性へのサポート

  • セルフコントロール法の習得
    衝動的になったときに「深呼吸」「その場を離れる」「数を数える」などでクールダウンする練習。

  • 行動前に考える習慣化
    「発言・行動する前に3秒待つ」ルールを取り入れたロールプレイ。


ASDの特性に応じたトレーニング例

社会性・コミュニケーションの困難さ

  • ロールプレイによる職場でのコミュニケーションの練習
    報連相(報告・連絡・相談)、上司への質問の仕方、あいさつや雑談の仕方を実際にシミュレーションする。

興味・関心・行動のこだわり

  • スケジュールの見える化
    予定表を確認し、変更がある場合は前もって把握することで、スムーズに対応できるようにする練習。

  • 過集中のコントロール練習
    タイマーで区切って作業を行い、一定時間ごとに休憩を入れる習慣をつける。

  • ストレスサインの気づきトレーニング
    感覚刺激で疲れやすい自分の状態を「どんなときにしんどくなるか」記録して自己理解を深める。


事業所によって具体的なトレーニング内容は異なりますが、ADHDやASDの特性を持った人が抱える困りごとを改善し、就職活動を進めやすくなるようなトレーニングや、実際に就職した後に企業で長く働き続けるためのスキルをみがくトレーニングを実施しています。

まとめ

ADHDとASDは、どちらも発達障害の方が持つ特性です。

それぞれの特性に起因する困りごとがある場合、就労移行支援事業所を利用し、発達障害の方向けのトレーニングを受けることで就職活動をスムーズに進めることができます。

大阪府堺市の就労移行支援事業所、ソース堺東・三国ヶ丘でも随時ご相談や見学を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

【監修】

就労支援員 佐古順子

職場適応援助者(訪問型ジョブコーチ)、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、P検3級、ビジネス実務マナー検定3級、秘書検定2級、簿記2級

 

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大阪府堺市にある就労移行支援事業所 ソース堺東 とソース三国ヶ丘は

メンタルクリニックに通っている方や

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随時見学・体験を受け付けておりますので

ぜひお気軽にお問合せください♪

お一人でも、ご家族や支援者の方のみでも大歓迎です。

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